夏の読書感想文
こんにちは。
台風も去り、快晴になるかと期待していましたが予想外の曇り空です。
個人的には、久々に美容院に行ったので視界良好。散髪はいいですね!
息子の夏休みも中盤に入り、
私もついでに夏休み気分が盛り上がり、本をたくさん読んでいます。
最近読んだ本たちをご紹介。
「沈黙の町で」奥田英郎(おくだひでお)著
奥田氏といえば「空中ブランコ」など、
ぶっ飛んだキャラクターが登場するファニーなお話の印象が強いですが、
ぜんぜん趣が違うこの作品。
タイトルからして、どうしちゃったの?と思ってしまいました。
暑い夏の日、中学校の敷地内で生徒の死体が見つかったことから始まり、
事故死なのか、事件なのか、謎を解きながらすすむストーリー。
こういった話をじっくり読み進めることが出来ない私は
事実が知りたい一心で夜通し読んでしまいました。
読書って危険。
季節は夏、むせ返る暑さの描写がリアルでこっちまで汗をかきそう、
いや、実際暑いのか、この部屋は・・・
ボリュームのある作品ですが、
たくさん出てくる登場人物像がいろんな風に変わっていくのが面白く、
それぞれに魅力があり読み進めることができます。
やっぱり、力のある作家なんだなあ、(偉そう)と改めて思いました。
「火星に住むつもりかい?」伊坂幸太郎著
こわいこわい~。伊坂氏の描く悪者は本当にこわい。
世の中にこわいものは数あれど、
やっぱりなんといってもダントツに怖いのは人間やな、と思わされます。
怖すぎておなかがじりじりします。
涼を楽しみたい方は是非。
伊坂氏が描きたいのは「読み終わった後、少し前向きになれる小説」と
インタビューで話していたとおり、絶望的なお話は書かないだろう、
という安心感があり怖い描写も我慢して最後まで読むことができます。
「間宮兄弟」江國香織著
恋愛小説のイメージが強い江國さんにしては異色の作品。
内容は「さえない」30代の兄と弟の毎日。
これが、なんだか笑ってしまう。
世間的に見たらどう見ても「さえない」感じなのに
なんだか幸せそうな二人。
間宮兄弟の母親はそんな息子達をとっても誇らしく思っており、
彼女もまた幸せそう。
息子達が大人になってこんな生活をしていたら、
母親としては幸せなのだろうか、嘆かわしいのだろうか・・・
などと、ついつい自分に置き換えて想像しています。
「幸せ」って案外簡単なことなのかも、なんて思える楽しい作品です。
こちらは佐々木蔵之介とドランクドラゴン塚地にて映画化されています。
読むときにお二人をあてがいながら読むと更に面白くなると思います。
今回ご紹介のお三方とも作品が多数映画化されているので、
映画から見てみるのも面白いかもです。
私のお気に入り映画は「間宮兄弟」と伊坂氏著「ゴールデンスランバー」です。
大人の夏休みは楽しいなあ。